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カスピ海の湖岸風景です。地元の方がくつろいでいます。
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カスピ海の湖岸風景です。アゼルバイジャンの首都バクーは風の街と言われるほど風が強く吹く場所です。この日は滞在中最も穏やかでしたが、それでも時折かなりの強風が吹きます。
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ほとんど海ですね。この方角をずっ~と行くとイランになるかと思います。
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湖岸。ここで味見しました。
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湖岸にある世界遺産「乙女の塔」です。修復中で周囲に足場が・・・残念。
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乙女の塔の屋上から見たカスピ海。それにしても風が強い!
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乙女の塔の屋上から見たカスピ海。足場の枠が邪魔ですね。
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乙女の塔の屋上から見たカスピ海。屋上は360度見渡せるためカスピ海とバクーの市内を一望できます。

004.世界最大の湖

※アゼルバイジャンから見た世界最大の湖(2012.6.10撮影)
世界最大の湖といえばご存じカスピ海です。個人的に世界で行ってみたい場所の候補に挙がっていました。今回偶然にも仕事でアゼルバイジャン共和国の首都バクー(BAKU)へ行く機会に恵まれてそのついでにカスピ海を見てきました。といっても仕事が押してしまい、結局最終日の空港に行く前の数時間しか取れず、ちょっと見てきた程度になってしまいましたが・・・・。カスピ海の湖岸に面している国としてはアゼルバイジャンをはじめ、ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、イランとなっています。今回私はアゼルバイジャンから湖岸にアクセスしていますので、湖の西側になり、南北でいうとちょうど中央部付近になります。ここでウィキペディア百科事典で調べたカスピ海の情報を少し。

流入河川は130ほどあるそうですが、流出河川は0だそうです。
南北1030km、湖の最大幅は435km、面積は374,000平方キロメートル(日本の国土面積よりほんの少し小さい程度だそうです。ってでか過ぎる!)
水量は78,200トン(世界のすべての湖水の40%程度を占めるそうです。)
最大水深は1025m、平均水深は187m、湖北部は浅く南にいけばいくほど深くなるそうです。
淡水湖ではなく海水の約1/3の塩分がある塩水湖です。(北部より南部の方が塩分濃度が濃いそうです。)


大体こんな感じです。大きさはもう一目瞭然ですが、私が注目する点は、流出河川が無いということです。この条件を見た時、私はヨルダンおよびイスラエルにある塩分濃度が異常に高い死海という湖を想像してしまいました。死海は流入河川がヨルダン川1本しかなく流出河川は一本もありません。周囲の環境が比較的高温で乾燥しているため流入量よりも蒸発量の方が多くなり塩分濃度が異常に高くなったといわれています。これ以外にも死海周辺の土壌には塩分含有量が多く、それが雨によって流されて死海に集まり凝縮したという要因もあるそうです。死海の地理的条件は特殊な例として考えられそうですが、カスピ海も流出河川が無いということはいずれその場所に見合った栄養分が異常に増えた状態になるのではないかと素人的には思ってしまうわけです。また130ほどもある流入河川の流入量と同じ分だけ蒸発しているというのがすごいですね。実際には周囲の地層などに吸収される水もあったり、ひょっとして地下水脈みたいなものから流れ出ているかもしれません。まあ、そんなことを考えていると何でもあり状態になってしまうので、とりあえず蒸発オンリーということにしておきましょう。蒸発では栄養分は減りませんから現時点で有機物の分解はすべてカスピ海内で処理できているということになるのでしょうか。現在のカスピ海は水質が良いとは言い難いですが、有名なチョウザメをはじめとするたくさんの魚類が生息しているそうです。よって魚が住めないような環境にはなっていないわけですから、バランスがとれているのでしょう。バランスがとれているのはおそらくカスピ海の大きさにあるかと思います。これだけの規模であれば生物の浄化が勝るのかもしれません。

私はカスピ海に来たらまずやってみたいことがありました。実際に湖水をなめてみようと思っていたのです。どの程度の塩分濃度なのか実際にこの舌で確かめたかったのです。情報によると北部には大河川の流入量が多く塩分濃度はかなり低めであるらしいのですが、南部に行けばいくほど塩分濃度が濃いとのことでした。私が行った場所はちょうど南北でいうと中間に位置するのでちょうど平均的なカスピ海の味が楽しめるはずです。湖岸に着いての第一印象はなめるにはちょっとためらう感じのそんなにきれいな印象ではありません。手で湖水をすくってなめてみます。ん・・・あんまりわかりません。というのも分かりやすい程度に塩っ辛いと思っていたのです。もう一度・・・・・塩分をあまり感じません。まあ、よく味わえば少し塩が混じっているかなぁ程度です。こんなに薄いとは思っていませんでした。季節や場所でもだいぶ違うんでしょうか?まあ、一か所しか試していないので、カスピ海の水は・・・・ですとは言いきれませんが。何度かペロペロやっていると近くでくつろいでいるアゼルバイジャン人に変な目で見られてしまいました。ただでさえ日本人などいませんから目立ちますからねぇ。地元の方(私のビジネス相手)は「オイル(石油)の味がするだろ」と冗談交じりに話していました。ここアゼルバイジャンの首都バクーは石油で発展した街です。エネルギー事情に興味のある方はバクー油田の名はご存じかもしれません。私が日本からビジネスに来ることができるのも彼ら(アゼルバイジャン人)がオイルマネーにより経済的に豊かであるところによるわけです。石油開発と湖の環境保全とは相反するものだと考えられますが、この開発が無ければ日本人の私がこのカスピ海と関係を持つことが皆無であったと考えられます。「ちょろっと見たぐらいで何を言っているんだ」と思うかもしれませんが、私は人が環境を考えるとき、少しでも実際の関係性を持つことが大事であると考えております。机上の空論やネット上の情報だけで分かったようになるのが最も危険であると感じます。微量でも関係性を持ったとき、初めて現実味を帯びたイマジネーションが出てきます。もっと知りたいという興味もわいてくるというものです。

さて話は変わりますが、ここカスピ海にはタナゴの仲間はいるでしょうか?今回実際に湖水をなめてみてほとんど塩分を感じられないほど薄かったので、ひょっとするとこの環境に適応したタナゴ類がいるかも・・・・しれませんと言うことにしておきましょう。これだけ広いんですからまだまだ未知の生物も沢山いるに違いありません。チョウザメばかりがピックアップされていますが、何がいるか分かりませんよ~。大体タナゴは海にほど近い汽水部分にも生息することがあると聞いたことがあります。霞ヶ浦だって元はシジミ(ヤマトシジミ)がいっぱいいる汽水湖だったわけですからね。

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