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霞ヶ浦のホソにて(10月)。沢山のコブナが釣れますが、ほとんどがギンブナです。
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中央の奴はまさにキンブナです。分岐軟条数11。
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左下はキンブナですね。その上のギンブナと比較しても背びれが明らかに小さいです。
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ギンブナと思われる個体。分岐軟条数16。
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ギンブナ・・・ですよね。分岐軟条数16。

a004.キンブナ、ギンブナ

(分類)コイ目コイ科コイ亜科フナ属
(学名)キンブナ(Carassius auratus ssp.2),ギンブナ(Carassius auratus langsdorfii)
(採集地)茨城県-霞ヶ浦,北浦,外浪逆浦、・・・全国各地にて

キンブナの自然分布は東北地方と関東地方だそうです。確かに西日本地域ではヘラブナかギンブナしか釣ったことがありません。一方ギンブナは国内全域に生息するそうです。キンブナとギンブナの区別は、色が金色だとか体高が低いとかで見分けるよりも背びれの分岐軟条数が明らかに多いか少ないかで大体の検討がつきます。分岐軟条数が11~14本なら大体キンブナ、それより多い15本以上なら大体ギンブナって感じですか。これは例外もあるそうで14本前後のギンブナもいるそうです。まあ、11、12本程度ならキンブナ、17、18本前後ならギンブナってことで大体間違いなさそうです。我が家には明らかにキンブナであると思われるヤツが何匹かいます。その中でも名前の通り黄金に輝くミスター.キンブナが1匹おります。

タナゴ釣りをしていて、な~んかアタリがあるようなないような・・・という曖昧な場合は彼らが掛かっていることが多いようです。その変なアタリに合わせて竿を引き上げ始めると暴れだすのです。彼らを飼育しているとよくわかりますが、いつも低層の砂利をモサモサあさっていて、とりあえずなんでも口に入れてしまいます。口に入れてから餌とそうでないものをより分けるという捕食スタイルなのです。口の構造からしても下方に大きく伸びるような形状で、餌をピンポイントで狙って行くような形をしていません。あの曖昧なアタリが納得いくわけです。針を食ってもしばらくはモグモグしていてそれから違和感を感じて暴れるというイメージじゃないでしょうか。

こんなのんびりしたフナ君たちは大変温和で他の魚に悪さをしないため、タナゴ類の同居人とていは大変好都合です。しかも低層の砂利に落ちた餌を残らずお掃除してくれるおまけ付きです。こんな彼らを水槽に1~2匹は入れておきたいと思うところです。しかしちょっとした問題もあります。動きの速いタナゴ類(特にヤリタナゴ)がメインの水槽に入れてしまうと、持ち前ののんびりした捕食スタイルから餌をなかなか食べられずに痩せてしまうことがあります。フナ一匹一匹にも個性があり、とんでもなくのんびりした奴もいれば要領のいい奴もいます。要領が悪くのんびりしている奴は確実に食いっぱぐれてしまうのです。こういう場合は餌やりに工夫が必要です。タナゴ類の口では丸のみできないほどの大きな沈下性の餌をあげたり、広範囲に細かく拡散する餌をあげたりと、その個体がちゃんと摂食できるような方法をとります。また、彼らは低層の砂利の中に入り込んだ餌もその砂利ごとあさってきれいに食べてしまいます。よってドジョウやカマツカなどの「低層専門」の魚が同居している場合は注意が必要です。下に沈下した餌を全てフナが食べてしまうため低層専門家にまで餌がいきわたらないのです。私はシマドジョウを飼育していますが、ドジョウの仲間の中でも特にのんびりとした捕食をする彼らは、狭い水槽内において確実にフナと共存できない(シマドジョウがガリガリになってしまいます)と思います。(但し水槽がとても大きければよいかもしれません)

日本全国に沢山いるギンブナはほとんどがメスだそうです。無性生殖なので全てクローンということでしょうか・・・?どうやらそうとは言い切れないようです。ギンブナの場合オスの精子は必要だということです。ところがこれは必ずしも同種の精子でなくてもよいそうなのです。精子は単なる生命発生のスイッチになっているだけで、遺伝的な貢献はしないらしいのです。なに~それではもうすでに同種のオスを必要としない生命システムが確立しているということですか!肩身の狭いかわいそうなオス達・・・・。フナ類が温和なのはメス社会なためでしょうか。縄張りを持たないし攻撃性もほとんどないように思います。これだけ繁栄しているんですからこのシステムは成功しているんでしょうねぇ。いや~男としては微妙な気持ちになってしまいます。ちなみにキンブナはこんな特異な生殖方法ではないと・・・思います。いや思いたいですねぇ、男としては・・・。フナって最も身近な淡水魚ですが、謎多き存在ですね。

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