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5cmほどの小さな個体でも婚姻色を表す。この種の特徴とされる腹部が黒くなるという発色はまだまだのようです。もっと大きく成長してからの婚姻色が見てみたいものです。
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非産卵期の個体3匹。
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タナゴ類中、最も体高が低いと言われるだけありますね。シャープな印象です。
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背びれの頂部が他のタナゴ類と異なります。オスはこの部分が黒く色付きますが、発色していない時でも若干黒ずんだ印象があります。
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メスは産卵管を長く出します。飼育中の個体でも容易に産卵管を伸ばしますので、繁殖は比較的容易かも・・・・ってまだ産卵させたことがありませんけどね。

008.タナゴ(2013.8.15更新)

(分類)コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属
(学名)Acheilognathus melanogaster
(採集地)茨城県-霞ヶ浦周辺

ここではマタナゴと呼ぶことにします。総称と同じ和名のものはいずれ変更される可能性があります。きっとマタナゴになるんでしょうね。もしくはテントウムシがナミテントウになったように、ナミタナゴ・・・・・・とはならないでしょうね。というのもこの種類は、簡単に出遭えるという魚ではありません。一般的でないものにナミという呼称は合いませんからね。個体数が少ないのか、生息域が限定的なのか・・・・はたまた単に釣り辛い種類なだけのか・・・。タナゴ釣りを始めて2年以上経過しての印象としては、これら全てが当てはまるように感じます。

霞ヶ浦の流入河川で、私程度の腕でも普通に4種類(タイリクバラタナゴ、カネヒラ、ヤリタナゴ、マタナゴ)のタナゴ類が釣れる場所で、釣果を累計比較してみると、外来種のタイリクバラタナゴが断トツで、ヤリタナゴが2番目、3番目に国内移入種のカネヒラ、そして最も少ないのがマタナゴです。おそらく競合した場合は最も少なくなる種類なのかもしれません。あくまで少ない経験値での話ですので分かりませんけどね。

採集したマタナゴを15匹程度飼育して1年以上経過しました。彼らを飼育していると他のタナゴ類と決定的に違うところがあることに気付かされます。縄張り争いをほとんどしないのです。非産卵期や未成熟であってもタナゴ類は例外なく縄張り争いをします。一見、争いをしていないように見えても、その片鱗はちょいちょい出てしまうため、成熟した時の気の強さがある程度予想できるものです。しかし、マタナゴちゃんはとても優等生な良い子ちゃんなのであります。(まあ、先生の目をぬすんで、ちょこちょこ弱い者のをいじめているのかもしれませんけどね。)図鑑で見る写真では、学名のメラノガスター(腹が黒いことを意味する)とあるように、黒々とした腹部に深い紫色の渋い婚姻色、それに頑丈そうな追星・・・・・これらから、さぞかし強烈な縄張り争いを行うものだと思っていましたが・・・・。飼育してみてマタナゴが温和なのにはとても驚きました。ここで断っておきますが、この性質はあくまで私の家の飼育環境での話です。その範囲内で、争いをほとんどしないと言っているのです。しかし、同じような環境で、我が家では「タイリクバラタナゴ、オオタナゴ、カネヒラ、ヤリタナゴ、アカヒレタビラ、シロヒレタビラ、カゼトゲタナゴ、ニッポンバラタナゴ、アブラボテ」を飼育していますが、彼らはその大小はあるものの、しっかりと分かり易く縄張り争いをします。
争わないということは、同種同士で群れをつくる性質があり、生息場所が限定的になってしまうのでしょうか?それとも環境にあまりこだわりがなく、それが裏目に出て競合種に負けて個体数を減らしてしまうということなのでしょうか?今後飼育を続けて、超大型に成長したオスが婚姻色バリバリの時、2枚貝を目の前にして他のオスに対してどのような態度を取るか、よくよく観察してみることにします。(今までの抑えていたものが一気に爆発して、鬼のように争いをしたら怖いですねぇ。)

釣りや飼育を通して、彼らは非常に臆病であることが分かりました。臆病という表現が正確かどうかは分かりませんが、よく言えば警戒心がとても強いと思います。水槽の飼育でも、ちょっとした振動に驚いて極端に反応し、必死で物陰に隠れようとします。水槽の蓋が少しでも開いていると驚いて飛び出してしまうこともあります。また、彼らは瞬発力がかなりあり、瞬間的なスピードはヤリタナゴ以上だと思います。警戒心の強い性質から、釣りが難しいのは頷けます。結構な個体数がその場所にいたとしても、釣り人の気配に気付いてしまうと、ほとんど釣れなくなってしまうのではないでしょうか。そう言えば、釣りをしていて、その場所での最初の1投目にマタナゴが掛かり、それ以降は他のタナゴ類ばかりが掛かるり、結局マタナゴはそれ1匹だけしか釣れないというケースが結構あります。これは警戒心の強さゆえの結果かもしれませんね。

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