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夕日に映える婚姻色の出たオス(福岡県遠賀川水系にて採集)
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夕日に映える婚姻色の出たオス(福岡県遠賀川水系にて採集)
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目立ちますね。
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産卵管の出たメス

003.ニッポンバラタナゴ

(分類)コイ目コイ科タナゴ亜科バラタナゴ属
(学名)Rhodeus ocellatus kurumeus
(採集地)福岡県-遠賀川周辺

初めての遠征で九州にて釣りました。ただこの種類は同定がとても難しいそうです。形態のみでは同定不能であるとも言われているそうです。それでは私がとりあえずニッポンバラタナゴだと思ったということかもしれません。思った理由としては採集場所と腹びれの前縁部の白色が無いことと・・・婚姻色が出たオスの腹部が黒いなどです。なんともいい加減ですが、とりあえず釣った時の印象がタイリクバラタナゴとは大きく違いました。何しろ婚姻色バリバリのオスの色が赤い赤い!真っ赤です。バラ色のようだからバラタナゴとはこの種類のことを言ったのだということがよく分かります。ただこれがタイリクバラタナゴと交雑している個体なのかどうかとなるとさらに分からなくなります。ところで私はこの交雑種と純血種などという言葉はかなり引っかかります。海外からの移入を良しとするわけでは到底ありません。しかし交雑種は負のイメージ、純血種は良いイメージをもって語られることが多いのが何か引っかかるのです。そもそも生物はより広範囲に拡散することを望むものだと思います。機会があればどんどん拡散する。これがその種の繁栄につながるからです。隔離された地域で長い間代を重ねると徐々に交配が限定的になりその地域の特徴が出ると思いますが、同時に遺伝的なもろさが出てくるのではないでしょうか。長ーい目で見るとニッポンバラタナゴはバラタナゴの地域限定種で徐々に滅んでいく運命のような感じがしてなりません。彼らは純血を守ろうとしているのではなく生物的に繁栄し拡散していくことを本能的に望んでいると考えます。新しい血(タイリクバラタナゴ)の侵入は彼らの絶滅を食い止める一手段かもしれません。なぜこんなことを言うかというと、環境を都合よく作り変えてしまった我々人間が本来ニッポンバラタナゴがいた多くの生息地を奪ってしまった訳です。この前提がありその後に入ってきたタイリクバラタナゴとの交雑にだけよろしくないと声高に唱えるのはどうもしっくりいきません。タイリクバラタナゴも人の手で持ち込んだわけですが、そんな経緯は彼らにとって関係ありません。さらに繁栄するために彼らはほっといても交雑していきます。交雑するとすべてがタイリクバラタナゴに置き換わるといいますが、そうでしょうか。ニッポンバラタナゴの血もその中に脈々と受け継がれるのではないでしょうか。要するにすべては無駄ではないということを言いたいのです。唯一無駄なことがあるとすれば、「交雑種はもうタイリクバラタナゴ化したので殺処分しかない」とかいうような純血至上主義的な考え方だと思うのです。

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