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婚姻色の出たオス(霞ヶ浦にて採集)
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若いオオタナゴ達(霞ヶ浦にて採集)
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かなり分かりやすく暗色斑があります。それに眼が大きいですね。
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尻びれのズーム(婚姻色の出たオス)
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背びれのズーム。分岐軟条数は17でしょうか。(いまいちカウントの仕方がまだ分かりません)

002.オオタナゴ

(分類)コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属
(学名)Acheilognathus macropterus
(採集地)茨城県-霞ヶ浦

最初に釣った個体がものすごく大きかった(12cm以上)ためとても印象深い魚です。タイリクバラタナゴ同様このタナゴも外来種です。本来の分布は中国を中心に北はロシアのアムール川流域、南は北ベトナムまでいるそうです。霞ヶ浦に行けばオオタナゴが沢山釣れるというのが、タナゴ釣りを始めるきっかけの一つでもありました。見たこともないような大きなタナゴに非常に興味がありました。ところが実際釣りを始めてみると中々釣れませんでした。オオタナゴ増殖のピークは既に過ぎたのでしょうか。場所によっては沢山釣れるかもしれませんが、個人的にはそんなに沢山いる印象はありません。明確な根拠があるわけではないのですが、今後数年はある程度の数を維持するものの徐々に個体数が減っていくような気がしてなりません。メスの産卵管は体の大きさに比例してとても長く、その長さから考えて比較的大きな貝を選択して卵を産むのではないでしょうか。環境の悪化により天然の2枚貝で大きな貝というのはだいぶ少なくなってきていると思います。彼らのサイズに合う貝が大量にあるとはどうも思えません。彼らが日本に移入した経緯の一つとして、1988年から中国固有種とされるヒレイケチョウガイを淡水真珠の母貝として中国から導入していて、ここにオオタナゴの卵が入っていたということが考えられているそうです。となると歴史は20年以上あるということになります。最初の数年はコンスタントに輸入される貝の中に卵が大量に入っていてどんどん稚魚を霞ヶ浦に放流したことになりそうです。もしもこの説が最大の要因であるならば、今釣れているオオタナゴは続々と輸入される貝から生まれる中国産なのでしょうか、それとも霞ヶ浦に元からいる天然の2枚貝を利用して育った霞ヶ浦産なのでしょうか。現在これだけ外来種問題が騒がれるようになったため輸入の貝に関してはある程度の検閲もしくは移入後の管理がなされていると思われます。よってオオタナゴの生息数がピークだったのはオオタナゴが問題視されるようになる少し手前で、それ以降は少しずつ減少しているのではないでしょうか。要するに彼らが霞ヶ浦の環境になじんで霞ヶ浦産として増殖しているのかどうかが問題だと思います。霞ヶ浦周辺の環境が悪化して2枚貝が激減している状況にあるはずなのにオオタナゴだけ大量に増えるなどありえるのでしょうか。彼らはそんなに産卵が上手でしょうか。あんなに大きな体で10cmぐらいの産卵管を持つ彼らが好む2枚貝がいっぱいあるというのでしょうか。それよりも毎年大量に輸入貝から発生したものが成長して沢山いるように見えただけということではないでしょうか。オオタナゴを害魚として殺処分するということをよく耳にします。実際釣りあげた魚をその辺にポイポイ捨てて環境保全の為などと言う方もいるようですが、こういった行為はどうしても受け入れることができません。そんなことをすることはありません。彼ら(オオタナゴ)は勝手に減っていきますからね。何せ環境が悪化して2枚貝がどんどん減っているんですから。その悪化した環境にあった適正数になるわけです。外来種が在来種を圧迫するとかいうのも一見正論のようですがズレているような気がしてなりません。タナゴ類が少ない貝を奪いあわなければならない環境をもっと考えるべきであると思います。失敗経験を経て賢くなった我々人間が、自ら都合良く作り変えた自然環境に少しずつでもできることをした上で、外来種をどうするかを考えるという順番でしょう。環境をできるだけ改善したのち、それでも彼らを減らす必要があるのであれば捕獲した魚を有効に利用できるようなこと(食品加工や飼料への加工など)を考えた上で計画的に大量捕獲するべきかと思います。捕獲した魚を有効利用するというのは、たとえそれが利用価値がほとんどなくとも移入してきた我々人間の義務であると思います。

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