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婚姻色の出たオス(霞ヶ浦にて採集)
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産卵管が少し出たメス(霞ヶ浦にて採集)
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オスの顔ズーム(霞ヶ浦にて採集)
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背びれのズーム(霞ヶ浦にて採集)。分岐軟条数は12でしょうか。(カウントの仕方がまだ分かりません)

001.タイリクバラタナゴ

(分類)コイ目コイ科タナゴ亜科バラタナゴ属
(学名)Rhodeus ocellatus ocellatus
(採集地)茨城県-霞ヶ浦,外浪逆浦、福井県-九頭竜川水系、石川県-木場潟周辺

私が一番最初にタナゴ釣りで釣ったタナゴです。とにかく美しく婚姻色を発したオスを釣りあげた時は感動します。バラタナゴとは薔薇のような深紅の色をしたということからきています。タイリクバラタナゴはどちらかというと赤というより美しい青味が強い印象ですが。タナゴといえば一般的に彼らを指すほどメジャーな存在ですが、本来日本に生息するタナゴではありません。本来の分布は中国、台湾、朝鮮半島だそうです。かなり広く分布しているようですね。台湾は大陸ではありませんが本来の生息域なんでしょうかねぇ。日本に移入してきたのは60年以上も前になるということですが、正確にはよく分からないそうです。移入の経緯よりも私が疑問に思うのは日本全国に彼らがいるということです。それもとても大量に。どのように拡散していったのでしょうか。タナゴ釣りとしての人気種だからという理由はなさそうです。地方に行くとタナゴ釣り自体かなりマイナーですからね。婚姻色がとてもきれいなため観賞魚として売れるということで業者がせっせと養殖していたのが拡散したというのは考えられます。これは推測ですが、全国の個体数が急増した時期は、戦後、農業の効率化を図るため河川や田んぼの用水路の整備を一気にやった高度成長期と合致するのではないでしょうか。この全国的に画一化された環境に適応したのではないでしょうか。環境の激変により在来種が減少し、競合が少なくなった所に上手く適応した。これがタイリクバラタナゴをここまで拡散させた要因の一つではないでしょうか。どんなに人間が彼らを意図的に放したとしても、その場所が肌に合わなければここまで増えることはありません。拡散させたのは人の手だとしてもここまで増えたのは環境を激変させたためと思います。これから先彼らはどんどん増えていくのでしょうか。私はそのようには思いません。彼らはそこそこの数は維持するものの徐々に減少していくと思います。環境の変化が急激であればある程、その変化にすぐ対応できるものが一時的に爆発的に増えることが考えられます。しかし徐々にゆっくりと対応していく他の競合種なども台頭してくるため、徐々にその数は適正なものになっていくというのが自然というものだと思うのです。100年以上もある一種類が優勢種となるほど自然は甘くないと思いますがどうでしょうか。もしそうだとしたら我々人間が作り変えた環境(罪)はとんでもないものであると思います。

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